(1)趣旨

法人税法に規定する減価償却には前章(第5章)で説明した普通償却の他に、投資の促進等様々な政策上の理由により、租税特別措置法において特別償却が規定されている。この制度は償却を早めることにより翌年度以降に法人税を取り戻すことを前提とした課税の繰り延べ制度であって、非課税とするものではない。

例えば、取得価額1,000、耐用年数5年、定額法(償却率0.200)の場合で、初年度一時償却300とすると、

この特別償却制度は、租税特別措置法(措法42の5~48)において、数多く規定されている。本章においては、その内、初年度一時償却の例として、

Ⅱ.中小企業者等が取得した機械等の特別償却

Ⅲ.中小企業者等が取得した特定経営力向上設備等の特別償却

について取り上げ以下解説する。

(2)特別償却制度の種類と計算方法

特別償却制度には、減価償却資産の取得初年度においてその取得価額の一定割合を償却する「初年度一時償却」と各事業年度の償却額を割増する「割増償却」の2種類がある。

(3)特別償却と法人税額特別控除(試験研究費を除く)の適用規定比較

(注)特別償却と税額特別控除の双方の規定(上記の両方に〇印ある規定)がある場合は、双方の規定を同時に適用は不可。

以上のように特別償却制度は数多く規定があるが、これらに共通する主なものとして次のような取り扱いがある(例外有り)。

①青色申告書提出法人であること

②特別償却を行うことができる期間が指定されていること

③対象資産は、原則として、新品の減価償却資産であること

④確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書の添付が必要なこと(添付がないことについての税務署長の宥恕(ゆうじょ)規定がないこと)

⑤原則として、租税特別措置法の圧縮記帳及び他の特別償却との重複適用ができないこと