(1)全額損金算入することの問題点
法人税法上、寄附金の全額損金算入を認めることには次のような問題点が存する。
①寄附金は、法人の事業活動とは直接関係ない(反対給付がない)ため、事業経費としての性格が乏しいこと。
②寄附金を損金算入すると、結果として国が寄附金の一部を補助したのと同じこととなること。
(2)全額損金不算入とすることの問題点
しかしながら、逆に寄附金のすべてを損金不算入とすることは、寄附行為が法人の事業を円滑に推進する目的をもってなされるという面もまったく無視できないことを考えると問題が残る。
(3)法人税法上の取扱い
そこで、法人税法においては、一定の損金算入限度額までの金額を損金とし、これを超える金額については、所得金額の計算上、損金の額に算入しないとする別段の定めを規定している。