(1)租税公課
①法人税及び地方法人税(法38①)
法人税は、稼得した所得から支払うとする所得処分の性格等の理由から損金の額に算入されない。 |
②住民税(法38②二)
都道府県民税と市町村民税(都民税を含む)を合わせて住民税という。
そして、住民税の本税は、法人税の本税と同様の理由で損金の額に算入されない。 |
(注)道府県民税利子割額については、H28.1.1以後は、法人に対する利子割は廃止。
③法人税額から控除される所得税額(法40)及び外国税額(法41)
法人税額から控除される所得税額及び外国税額は、二重課税排除のために損金の額に算入されない。 |
④外国子会社から受ける配当等に係る外国源泉税等(法39の2)
外国子会社から受ける配当等の益金不算入の適用を受ける場合の配当等に係る外国源泉税等は損金の額に算入されない(「第 章 外国子会社配当等の益金不算入」 ページ参照)。 |
(2)不正行為等に係る費用等
①隠ぺい仮装行為に要する費用又は隠ぺい仮装行為による損失(法55①、②)
法人税等の税負担を減少させ、又はさせようとする隠ぺい仮装行為に要する費用・損失は損金の額に算入されない。 |
②国税の附滞税(法55③一)
以下の国税の附滞税は損金の額に算入されない。
イ.延滞税(通法60①、③) …法人税を滞納したときに課される(原則年14.6%)。 ロ.過少申告加算税(通法65①④、通令27) …法人税が過少であるときに課される(原則10%)。 ハ.無申告加算税(通法66①) …法人税の申告をしなかったときに課される(原則15%)。 ニ.重加算税(通法68①②) …いわゆる悪質な脱税をしたときに課される ホ.不納付加算税(通法67) …源泉徴収した所得税を滞納したときに課される(原則10%)。 ヘ.印紙税の過怠税(印法20) …領収書などに印紙を貼付しなかったときに課される (本税を含めて、本税の3倍)。 |
③地方税の延滞金等(法55③二)
以下の地方税の延滞金等は損金の額に算入されない。
イ.延滞”金”(納期限延長に係るものを除く。) ロ.過少申告加算”金” ハ.”不”申告加算”金” ニ.重加算”金” |
(注)国税の附滞税と呼称が微妙に違うので注意。納期限延長に係るものは、国税では「利子税」というが、地方税は納期限延長に係るものも「延滞金」という。
④罰金・科料・過料・交通反則金(法55④一)
役員又は使用人に対して課された罰金等を会社が負担した場合(基通9-5-8)
また、国外で課された罰金等も損金の額に算入されない(基通9-5-9,10)。 |
⑤独禁法等による課微金及び延滞金(法55④二~六)
国民生活安定緊急措置法、独禁法、金融商品取引法等の規定による課微金及び延滞金は損金の額に算入されない。 |
⑥いわゆる賄賂(法55⑤)
国内外の公務員への賄賂の税控除を認めてはならないとする「腐敗の防止に関する国際連合条約」の締結に伴い、国際的協調の観点から損金の額に算入されない。 |